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てんかんとは?症状・原因・治療について神経内科専門医がわかりやすく解説

脳と神経の相談室

はじめに

  • 突然意識を失った
  • 手足がけいれんした
  • 数秒間ぼーっとして反応がなかった
  • 同じような発作を繰り返している

このような症状がある場合、てんかんが原因の可能性があります。

てんかんというと「全身がけいれんする病気」をイメージする方が多いかもしれません。しかし実際には、ぼーっとするだけ、会話が止まるだけといった発作もあります。

この記事では、てんかんの症状や原因、検査、治療について神経内科専門医がわかりやすく解説します。


てんかんとは

てんかんとは、脳の神経細胞が一時的に異常な電気活動を起こし、その結果として発作を繰り返す病気です。

発作の現れ方は人によって異なり、

  • 全身のけいれん
  • 意識消失
  • ぼーっとする
  • 会話が止まる
  • 手足が勝手に動く

などさまざまな症状がみられます。

日本では100人に1人程度がてんかんを持つといわれており、決して珍しい病気ではありません。


てんかんの種類

子どもに多いてんかん

子どものてんかんでは、脳全体から一度に異常な電気活動が起こる「全般発作」が比較的多くみられます。

突然意識を失い、

  • 全身が突っ張る
  • 手足がガクガクする
  • 呼びかけに反応しない

といった症状が現れます。

また、数秒間だけぼーっとしてしまう「欠神発作」と呼ばれるタイプもあります。

大人に多いてんかん

大人、特に高齢者では脳の一部分から始まる「焦点発作」が多くみられます。

そのため必ずしも全身けいれんを起こすわけではありません。

  • 急にぼーっとする
  • 会話が止まる
  • 口をもぐもぐする
  • 同じ動作を繰り返す
  • 発作中の記憶がない

といった症状だけのこともあります。

認知症と間違われることも少なくありません。

高齢者のてんかんは増えている

てんかんは子どもの病気と思われがちですが、実は高齢になってから発症する人も少なくありません。

原因としては

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • 頭部外傷
  • 脳腫瘍
  • 認知症

などがあります。

認知症では脳が徐々に萎縮していきます。

その影響で脳の電気活動が乱れ、てんかん発作を起こすことがあります。

特に側頭葉てんかんでは、

  • 急に反応がなくなる
  • 会話が止まる
  • 口をもぐもぐする
  • 同じ動作を繰り返す

などの症状がみられます。

認知症と思われていた症状の中に、実は治療できるてんかん発作が隠れていることもあります。

睡眠中だけ起こるてんかんもある

てんかん発作は起きている時だけではありません。

睡眠中だけ発作が起こる人もいます。

  • 寝ている時に手足がけいれんする
  • 朝起きると舌を噛んでいる
  • 布団が乱れている
  • 原因不明の失禁がある

場合には夜間てんかんが隠れていることがあります。

本人は気付いていないことも多く、家族の目撃が診断のきっかけになることもあります。

てんかんと間違えやすい病気

失神

一時的に脳への血流が低下して意識を失う状態です。

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心因性非てんかん発作(PNES)

強いストレスなどが関与して発作のような症状が現れます。

発作中の様子だけで区別することは難しいですが、

  • てんかん発作では目が開いていることが多い
  • 心因性非てんかん発作では目を閉じていることが多い

という特徴があります。

ただし例外もあるため、最終的には専門医による判断が必要です。

熱性けいれんとてんかんは違う

小さなお子さんが高熱を出した際に起こるけいれんを熱性けいれんといいます。

熱性けいれんを起こしたからといって、すぐにてんかんというわけではありません。

熱性けいれんを経験した人は、経験していない人に比べて将来的なてんかん発症リスクがやや高いことが知られています。

しかし、多くのお子さんはその後てんかんを発症することなく成長します。

てんかんはどのように診断するの?

てんかんは一度発作を起こしただけで診断される病気ではありません。

多くの場合、

  • 同じような発作を繰り返す
  • 発作のパターンが似ている
  • 他の病気では説明できない

ことなどを総合して診断します。

てんかんは「脳波の異常」で診断する病気ではなく、「発作を繰り返すこと」で診断する病気です。

脳波に異常があっても一生発作を起こさない人もいます。

逆に、てんかん患者さんでも検査時には脳波が正常なことがあります。

てんかんと自動車運転

てんかんと診断された場合、自動車運転には注意が必要です。

発作によって意識を失う可能性があるため、発作が十分にコントロールされていない状態での運転は危険です。

しかし、てんかんと診断されたからといって一生運転できなくなるわけではありません。

適切な治療を受け、一定期間発作がないことが確認できれば、運転免許の取得や更新が認められる場合があります。

実際には道路交通法に基づいて個別に判断されるため、運転再開を考える際は主治医に相談しましょう。

治療

治療の中心は抗てんかん薬です。

多くの患者さんでは適切な治療により発作を良好にコントロールできます。

また、

  • 睡眠不足
  • 過度の飲酒
  • 強いストレス

は発作の誘因になることがあります。

こんな時は早めに受診しましょう

  • 初めてけいれんを起こした
  • 意識を失った
  • 同じような発作を繰り返している
  • 発作が5分以上続いた
  • 発作後も意識が戻らない
  • 発作でけがをした

このような場合は、脳神経内科または救急外来を受診しましょう。

特に初めての発作では、脳梗塞や脳腫瘍など他の病気が隠れていることもあるため注意が必要です。

まとめ

てんかんは全身けいれんだけでなく、ぼーっとするだけの発作もある病気です。

特に高齢者では脳梗塞後や認知症に伴って発症することがあり、認知症と間違われることもあります。

発作が気になる場合は、一人で悩まず脳神経内科へ相談しましょう。

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神経内科専門医・総合内科専門医
はじめまして。「脳と神経の相談室」を運営している女医です。 神経内科専門医・総合内科専門医として15年以上診療に携わっています。 外来でよくいただく質問を中心に、しびれ、頭痛、めまい、認知症などについて、専門的な内容をできるだけわかりやすく解説します。 不安を少しでも減らし、受診のきっかけになるような情報発信を心がけています。
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