群発頭痛とは?目の奥がえぐられるような激しい頭痛の特徴と治療法を神経内科専門医が解説
はじめに
- 目の奥がえぐられるように痛い
- 片側の目が真っ赤になる
- 涙や鼻水が出る
- 夜中に激痛で目が覚める
- 痛くてじっとしていられない
このような症状がある場合、群発頭痛の可能性があります。
群発頭痛は、脳腫瘍や脳梗塞などの原因となる病気がない「一次性頭痛」の一つです。
片頭痛や緊張型頭痛と並ぶ代表的な頭痛ですが、頻度は比較的少なく、非常に強い痛みを特徴とします。
頭痛の中でも特に痛みが強く、「人生で一番痛かった」と表現する患者さんも少なくありません。痛みのために救急外来を受診することも多い頭痛です。
群発頭痛とは?
群発頭痛は、一定期間に集中して起こる頭痛です。
特徴
- 片側だけに起こる
- 目の奥が激しく痛む
- 15分〜3時間程度続く
- 1日に何回も起こることがある
- 数週間〜数か月続いたあと自然に治まる
頭痛発作がまとまって出現するため「群発頭痛」と呼ばれます。
群発頭痛の典型例
40代男性。
毎年春や秋になると、
- 夜中の1〜2時頃に激痛で目が覚める
- 左目の奥がえぐられるように痛い
- 左目が充血する
- 涙が止まらない
- 鼻水が出る
- 痛くて横になれず部屋を歩き回る
という症状を繰り返していました。
頭部MRIでは異常はなく、群発頭痛と診断されました。
群発頭痛の症状
激しい頭痛
頭痛は片側だけに起こることがほとんどです。
- 目の奥
- こめかみ
- 額
に強い痛みを感じます。
患者さんによっては
「目をえぐられるような痛み」
「頭を壁に打ち付けたくなるほど痛い」
と表現することもあります。
目や鼻の症状を伴う
頭痛と同じ側に
- 目の充血
- 涙が出る
- 鼻水
- 鼻づまり
- まぶたが下がる
などの症状が現れます。
まれに瞳孔が小さくなるホルネル症候群を伴うこともあります。
じっとしていられない
片頭痛では静かな部屋で横になりたくなる方が多いですが、
群発頭痛では
- 部屋を歩き回る
- 頭を抱える
- 落ち着かない
という特徴があります。
これは片頭痛との大きな違いです。
夜中に起こりやすい
群発頭痛は夜間や明け方など、決まった時間帯に起こることが多い頭痛です。
「毎晩同じ時間に目が覚める」
という訴えは群発頭痛でよくみられます。
群発頭痛の原因
詳しい原因はまだ完全には解明されていません。
脳の体内時計に関わる視床下部が関与していると考えられています。
群発期に悪化しやすいもの
- 飲酒
- 喫煙
- シャワーや入浴
- 血管拡張作用のある薬
特に群発期には少量の飲酒でも発作が誘発されることがあります。
普段は問題なくても、群発期だけは禁酒を勧められることがあります。
どんな人に多い?
- 20〜50代
- 男性に多い
- 喫煙歴のある人に多い
とされています。
片頭痛は女性に多いことで知られていますが、群発頭痛は現在でも男性に多い頭痛です。
群発頭痛の検査
MRI検査
群発頭痛そのものはMRIで異常が出ません。
しかし、
- 脳腫瘍
- 動脈瘤
- 脳下垂体疾患
- 副鼻腔疾患
などを除外するためにMRI検査を行います。
初めての群発頭痛ではMRIを受けておくことをおすすめします。
群発頭痛の治療
群発頭痛は片頭痛よりも治療に難渋することがあります。
発作時治療
酸素吸入
群発頭痛に非常に有効な治療です。
高濃度酸素を15〜20分程度吸入することで症状が改善することがあります。
トリプタン製剤
片頭痛でも使用される薬ですが、群発頭痛にも有効です。
予防治療
- ベラパミル
- ステロイド短期投与
などが使用されます。
群発期を乗り切るために予防治療を行います。
治療が難しいこともある
予防薬を使用しても発作を完全に抑えられないことがあります。
そのため、
- 頭痛外来への通院
- 救急外来での酸素吸入
- 在宅酸素療法
などが必要になる場合もあります。
慢性群発頭痛と呼ばれるタイプでは長期間症状が続くこともあります。
こんなときは早めに受診を
- 初めて経験する激しい頭痛
- 今までと違う頭痛
- 手足の麻痺を伴う
- ろれつが回らない
- 意識障害がある
- 発熱を伴う
場合は別の病気が隠れている可能性があります。
よくある質問
群発頭痛は脳梗塞ですか?
通常は脳梗塞ではありません。
ただし初回発作ではMRIなどの検査が必要です。
群発頭痛は治りますか?
多くは数週間〜数か月で自然に治まります。
ただし数年後に再発することがあります。
群発頭痛は救急車を呼んだ方がいいですか?
群発頭痛そのものは命に関わる病気ではありません。
しかし、初めて経験する激しい頭痛では脳出血や脳梗塞などとの区別が必要です。
初回発作や普段と異なる症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
まとめ
- 群発頭痛は目の奥に起こる非常に強い頭痛
- 涙や鼻水、目の充血を伴う
- 夜中の決まった時間に起こりやすい
- 痛みでじっとしていられない
- 酸素吸入やトリプタンが有効
- 片頭痛より治療に苦労することもある
激しい頭痛が続く場合は、脳神経内科や頭痛外来への受診をおすすめします。
