まぶたが下がる原因は?重症筋無力症や脳動脈瘤との見分け方を神経内科専門医が解説
はじめに
- 最近まぶたが下がってきた
- 写真を見ると左右差がある
- 夕方になると目が開きにくい
- 物が二重に見えることがある
このような症状はありませんか?
まぶたが下がる症状は「眼瞼下垂(がんけんかすい)」と呼ばれます。
加齢による眼瞼下垂が最も多い原因ですが、中には重症筋無力症や脳動脈瘤など、早めの治療が必要な病気が隠れていることもあります。
この記事では、まぶたが下がる原因や受診の目安について神経内科専門医がわかりやすく解説します。
まぶたが下がる主な原因
① 加齢による眼瞼下垂
最も多い原因です。
長年のまばたきやコンタクトレンズの使用などにより、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の腱膜が伸びることで起こります。
特徴
- 徐々に進行する
- 両側に起こることが多い
- 疲れによる変動は少ない
- 視界が狭くなる
- 目尻側のまぶたが下がることが多い
眼科で診断・治療が可能です。
② 重症筋無力症
神経内科で特に重要な病気の一つです。
神経から筋肉への命令が伝わりにくくなる自己免疫疾患です。
特徴
- 夕方になると悪化する
- 朝は比較的症状が軽い
- 左右差がある
- 休むと改善する
- 物が二重に見える(複視)
- 瞳孔は正常
進行すると
- 飲み込みにくい
- ろれつが回らない
- 手足に力が入りにくい
などの症状が現れることがあります。
③ 動眼神経麻痺
まぶたを持ち上げる筋肉や眼球を動かす筋肉を支配する「動眼神経」が障害される病気です。
特徴
- 急に発症する
- 強い眼瞼下垂
- 物が二重に見える
- 目が動かしにくい
原因として
- 脳動脈瘤
- 糖尿病
- 脳幹梗塞
などがあります。
特に脳動脈瘤が原因の場合は瞳孔が大きくなることが多く、緊急性が高いため早急な受診が必要です。
一方、糖尿病による動眼神経麻痺では瞳孔が保たれることが多いとされています。
④ ホルネル症候群
交感神経の障害によって起こります。
特徴
- 片側だけに起こることが多い
- 軽い眼瞼下垂
- 瞳が反対側より小さく見える
- 顔の汗が出にくくなる
- 反対側は正常
- 目が奥まって見える
- 下まぶたが少し持ち上がったように見える
- 目全体が小さく見える
原因として
- 脳幹の病気
- 群発頭痛などの特殊な頭痛
- まれに肺尖部腫瘍
などがあります。
群発頭痛では、
- 片側の激しい頭痛
- 涙が出る
- 鼻水が出る
- 眼瞼下垂
などの症状を伴うことがあります。
⑤ 脳梗塞・脳腫瘍
頻度は高くありませんが注意が必要です。
特に脳幹に病変がある場合には眼瞼下垂が起こることがあります。
次のような症状を伴う場合は早めの受診が必要です。
- 物が二重に見える
- ろれつが回らない
- 顔や手足のしびれ
- 手足の麻痺
- 歩きにくい
こんな症状は早めに受診しましょう
救急受診を考える症状
- 急にまぶたが下がった
- 急に物が二重に見える
- 激しい頭痛を伴う
- 手足の麻痺を伴う
- ろれつが回らない
外来受診をおすすめする症状
- 数週間〜数か月かけて進行している
- 夕方になると悪化する
- 疲れると症状が強くなる
- 左右差がある
何科を受診すればいい?
眼科
- 加齢による眼瞼下垂
- コンタクトレンズ関連
- 目の病気が疑われる場合
脳神経内科
- 重症筋無力症が疑われる
- 物が二重に見える
- 疲れると悪化する
- 手足の症状を伴う
脳神経外科
- 急に症状が出た
- 激しい頭痛を伴う
- 脳動脈瘤や脳梗塞が心配
まとめ
まぶたが下がる原因として最も多いのは加齢による眼瞼下垂ですが、重症筋無力症や動眼神経麻痺、脳動脈瘤などの病気が隠れていることもあります。
特に
- 急に発症した
- 物が二重に見える
- 夕方になると悪化する
- 手足の症状を伴う
場合には早めの受診をお勧めします。
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物が二重に見える(複視)を伴う場合は、眼の病気だけでなく脳や神経の病気が原因のこともあります。
ろれつが回らない、手足の麻痺などを伴う場合は、脳卒中の可能性があります。突然症状が出た場合は早めに受診しましょう。
まぶたが「下がる」のではなく、「閉じにくい」場合は顔面神経麻痺の可能性があります。似た症状との違いについてはこちらをご覧ください。
強い頭痛とともに急に眼瞼下垂が出現した場合は、脳動脈瘤など緊急性の高い病気の可能性もあります。
