顔に電気が走るような痛み…それは三叉神経痛かもしれません|症状・原因・治療を神経内科専門医が解説
はじめに
- 顔に突然ビリッと電気が走る
- 洗顔や歯磨きで激痛が走る
- 食事や会話で顔が痛む
- 歯が悪いと思って歯科を受診したが異常がなかった
このような症状がある場合、三叉神経痛の可能性があります。
三叉神経痛は、顔に起こる病気の中でも特に痛みが強く、「痛みの王様」と呼ばれることもあります。
今回は三叉神経痛の症状、原因、治療について神経内科専門医がわかりやすく解説します。
三叉神経痛とは
三叉神経は顔の感覚を脳へ伝える神経です。
主に
- おでこ
- 頬
- あご
の感覚を担当しています。
この神経が刺激されることで、顔に電気が走るような激しい痛みが起こります。
三叉神経痛の典型例
60代女性。
右上の歯が痛くなり歯科を受診しましたが、虫歯などの異常はありませんでした。
その後、
- 洗顔
- 歯磨き
- 食事
のたびに右頬へ電気が走るような激痛が出現。
MRI検査で三叉神経を血管が圧迫していることがわかり、薬を開始したところ症状は大きく改善しました。
三叉神経痛では、このように最初は歯の痛みと勘違いされることも少なくありません。
三叉神経痛の症状
電気が走るような激痛
特徴的なのは
- ビリッ
- バチッ
- ズキッ
と表現される電撃痛です。
痛みは数秒〜数十秒
片頭痛のように何時間も続くことは少なく、
数秒から数十秒程度の激痛が繰り返し起こります。
顔の片側に起こることが多い
多くは
- 右だけ
- 左だけ
に症状が出ます。
両側同時に起こることはまれです。
洗顔や歯磨きで誘発される
以下のような軽い刺激で痛みが誘発されることがあります。
- 洗顔
- 歯磨き
- 食事
- 会話
- 化粧
- 髭剃り
- 冷たい風
痛みが怖くなり、顔を触れなくなる方もいます。
しびれは伴わないことが多い
典型的な三叉神経痛では
- 顔のしびれ
- 感覚低下
はあまりみられません。
強い痛みだけが繰り返し起こるのが特徴です。
一方で、
- 顔のしびれを伴う
- 感覚が鈍い
- 徐々に悪化する
場合には、脳腫瘍や多発性硬化症など別の病気が隠れていることもあるため注意が必要です。
三叉神経痛の原因
最も多いのは血管による圧迫
三叉神経痛の原因として最も多いのは、脳の中で血管が三叉神経を圧迫することです。
神経が長期間圧迫されることで異常な電気信号が発生し、激しい痛みを引き起こします。
脳腫瘍
まれですが、
- 髄膜腫
- 聴神経腫瘍
などの脳腫瘍が原因となることがあります。
多発性硬化症
若い方の三叉神経痛では、多発性硬化症が原因となることがあります。
若年発症の場合はMRI検査が特に重要です。
三叉神経痛と間違えやすい病気
歯の病気
最も間違えやすいのは
- 虫歯
- 歯周病
などの歯科疾患です。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹のあとに痛みが残る病気です。
痛みが長時間続くことが多く、三叉神経痛とは少し特徴が異なります。
群発頭痛
目の奥の激痛に加えて
- 涙
- 鼻水
- 目の充血
などを伴います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
何科を受診すればいい?
三叉神経痛が疑われる場合は
- 脳神経内科
- 脳神経外科
の受診をおすすめします。
MRI検査を行い、血管圧迫や脳腫瘍などがないか確認します。
検査
MRI検査
MRIでは
- 血管による圧迫
- 脳腫瘍
- 多発性硬化症
などを確認します。
治療
第一選択はテグレトール(カルバマゼピン)
三叉神経痛では
テグレトール(カルバマゼピン)
が第一選択となります。
三叉神経痛によく効く薬として知られています。
少量からゆっくり増量する
テグレトールは効果が高い反面、
- 眠気
- ふらつき
- めまい
- 発疹
などの副作用が出ることがあります。
そのため通常は少量から開始し、様子をみながら徐々に増量します。
他の薬を使用することもある
テグレトールが使用できない場合や効果が不十分な場合には
- ビムパット(ラコサミド)
- リリカ(プレガバリン)
- タリージェ(ミロガバリン)
などを使用することがあります。
ただし、典型的な三叉神経痛ではテグレトールほどの効果は期待しにくい場合もあります。
手術治療
薬で十分な効果が得られない場合には、
微小血管減圧術(MVD)
が検討されます。
神経を圧迫している血管を離すことで、根本的な改善が期待できます。
こんな症状は早めに受診を
- 初めて経験する激しい顔面痛
- 顔のしびれを伴う
- 若い年齢で発症した
- 徐々に悪化している
- 両側に症状がある
このような場合は早めに脳神経内科や脳神経外科を受診しましょう。
まとめ
- 三叉神経痛は顔に起こる電撃痛が特徴
- 洗顔や歯磨きで誘発されやすい
- 多くは血管が神経を圧迫することで起こる
- MRIで原因を調べることが重要
- 治療の第一選択はテグレトール
- 薬が効かない場合は手術治療も検討される
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