ろれつが回らない原因は?脳梗塞との見分け方を神経内科専門医が解説
はじめに
こんな症状はありませんか?
- 急にろれつが回らなくなった
- 言葉がもつれる
- 家族から「話し方がおかしい」と言われた
- 舌がしびれる感じがする
- 飲み込みにくい
- むせやすくなった
ろれつが回らない症状は、疲れや飲酒によることもありますが、脳梗塞など緊急性の高い病気が隠れていることもあります。
この記事では、ろれつが回らない原因や受診の目安について、神経内科専門医がわかりやすく解説します。
ろれつが回らないとは?
医学的には「構音障害(こうおんしょうがい)」と呼ばれます。
舌や口唇、のどの筋肉をうまく動かせなくなり、発音が不明瞭になる状態です。
例えば、
- 「らりるれろ」が言いにくい
- 言葉がもつれる
- 何を話しているかわかりにくい
- れろれろした話し方になる
といった症状がみられます。
ろれつが回らないと言葉が出ないは違う症状です
「ろれつが回らない」と「言葉が出ない」は混同されやすい症状ですが、医学的には異なります。
ろれつが回らない(構音障害)
言いたい言葉は頭の中にあるものの、発音に必要な筋肉をうまく動かせず、言葉が不明瞭になる状態です。
言葉が出ない(失語症)
言葉そのものをうまく扱えなくなる状態です。
- 言いたい言葉が出てこない
- 相手の話が理解できない
- 違う言葉を話してしまう
などの症状がみられます。
どちらも脳梗塞で起こることがありますが、別の症状です。
最も注意が必要なのは脳梗塞
急にろれつが回らなくなった場合、まず脳梗塞を考える必要があります。
特に、
- 顔の麻痺
- 手足の麻痺
- 片側のしびれ
- 舌のしびれ
- 飲み込みにくい
- ふらつく
- 物が二重に見える
などを伴う場合は注意が必要です。
症状が軽くても自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。
一過性脳虚血発作(TIA)
脳梗塞の前触れとして、一時的に症状が出ることがあります。
数分から数十分で改善することもありますが、放置すると脳梗塞につながることがあります。
「治ったから大丈夫」とは考えず、早めに受診しましょう。
小脳失調
小脳は体のバランスや動きを滑らかに調整する働きをしています。
この小脳に障害が起こると「小脳失調」と呼ばれる状態になり、
- ふらつく
- ろれつが回らない
- 手足の動きがぎこちなくなる
- コップを取ろうとして行き過ぎたり届かなかったりする
といった症状が現れます。
話し方も、
- れろれろした感じになる
- ゆっくり不自然な話し方になる
ことがあります。
脊髄小脳変性症
脊髄小脳変性症は、小脳失調が徐々に進行する病気です。
- ろれつが回りにくい
- 歩きにくい
- ふらつく
といった症状が年単位でゆっくり進行します。
近い家族に同じような症状の方がいる場合もあります。
重症筋無力症
神経と筋肉のつながりに異常が起こる病気です。
- 長時間話すと悪化する
- 夕方になると悪化する
- まぶたが下がる
- 物が二重に見える
- 噛んでいると顎がだるくなる
- 飲み込みにくい
といった特徴があります。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)
ALSは運動神経が障害される病気です。
- ろれつが徐々に悪くなる
- 飲み込みにくくなる
- 舌がやせる
- 手足の筋力低下
などの症状がみられます。
ギラン・バレー症候群
手足の脱力で始まることが多い病気です。
まれですが重症化すると、
- 顔面神経麻痺
- 飲み込みにくさ
- ろれつが回らない
といった症状が出ることがあります。
パーキンソン病
パーキンソン病では典型的な構音障害とは少し異なり、
- 声が小さくなる
- 単調な話し方になる
- 言葉につまる
- はっきり発音しにくくなる
といった変化がみられます。
舌や口の動きがゆっくりになることが関係しています。
飲酒
アルコールを多く飲むと、小脳失調に似た状態になることがあります。
- ろれつが回らない
- ふらつく
- まっすぐ歩けない
といった症状が現れます。
何科を受診すればいい?
救急車を呼ぶべき場合
- 急にろれつが回らなくなった
- 顔がゆがむ
- 手足に力が入らない
- 片側のしびれがある
- 強いふらつきがある
- 二重に見える
このような場合は脳梗塞の可能性があり、救急受診が必要です。
当日中に受診した方がよい場合
- 数分から数十分で症状が改善した
TIAの可能性があります。
脳神経内科を受診する場合
- 症状が徐々に進行している
- 数か月から数年かけて悪化している
場合は脳神経内科で相談しましょう。
まとめ
ろれつが回らない原因にはさまざまな病気がありますが、最も重要なのは脳梗塞です。
特に急に症状が出た場合は様子を見ず、速やかに医療機関を受診してください。
また、「ろれつが回らない」と「言葉が出ない」は別の症状であり、どちらも脳の病気のサインになることがあります。
気になる症状がある場合は、早めに脳神経内科へ相談しましょう。
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