片側の首が痛い・まぶたが下がる|頸動脈解離の症状と脳梗塞の危険性を神経内科専門医が解説
こんな症状はありませんか?
- 片側の首が急に痛くなった
- あごや耳の奥が痛い
- 片方のまぶたが下がってきた
- ろれつが回りにくい
- 手足がしびれる
- 手足に力が入りにくい
「寝違えかな?」「肩こりかな?」と思っていても、まれに首の血管が裂ける頸動脈解離という病気が隠れていることがあります。
頸動脈解離は若い世代の脳梗塞の原因として重要な病気です。
首の痛みだけで終わることもありますが、脳梗塞につながることもあるため注意が必要です。
頸動脈解離とは?
頸動脈解離とは、首から脳へ血液を送る「内頸動脈」の壁が裂ける病気です。
血管の壁の中に血液が入り込むことで、
- 血管が狭くなる
- 血栓(血のかたまり)ができる
- 脳へ血液が流れにくくなる
といった状態になり、脳梗塞を起こすことがあります。
どんな人に多い?
頸動脈解離は比較的若い世代に多く、
30〜50代の脳梗塞の原因として重要な病気です。
高齢者にも起こりますが、高齢者の脳梗塞では心房細動や動脈硬化によるものの方が多くなります。
最も多い症状は「片側の首の痛み」
頸動脈解離では、
- 首の前側
- あごの奥
- 耳の周囲
- こめかみ
などに痛みが出ることがあります。
多くは片側だけに症状が出ます。
「寝違えたような痛み」と感じる方もいます。
まぶたが下がることがある(ホルネル症候群)
頸動脈の周囲には交感神経が走っています。
そのため頸動脈解離では、
- 片方のまぶたが下がる
- 瞳孔が小さくなる
- 顔の汗が出にくくなる
といった症状が現れることがあります。
これをホルネル症候群と呼びます。
神経内科では、
「片側の首の痛み+ホルネル症候群」
があると頸動脈解離を強く疑います。
脳梗塞の症状が出ることも
解離した部分に血栓ができると脳梗塞を起こすことがあります。
以下の症状が出た場合は救急受診が必要です。
- ろれつが回らない
- 顔がゆがむ
- 手足がしびれる
- 手足に力が入らない
- 言葉が出ない
- 片目が見えにくくなる
原因は?
はっきりした原因がわからないことも少なくありません。
きっかけとして、
- 首を強くひねる
- スポーツ
- ヨガ
- 整体やマッサージ
- 交通事故
などが挙げられます。
ただし、何も思い当たることがなく発症する方も多くいます。
遺伝する病気なの?
多くの場合は遺伝しません。
ただし、
- 血管が生まれつき弱い
- 結合組織が弱い
といった体質が関係すると考えられています。
実際には特別な遺伝性疾患が見つからない方がほとんどです。
椎骨動脈解離との違い
首の血管の解離には「椎骨動脈解離」もあります。
頸動脈解離
- 首の前側の痛み
- ホルネル症候群
- 半身麻痺
- 失語症
が特徴です。
椎骨動脈解離
- 後頭部痛
- めまい
- ふらつき
- 複視
が特徴です。
どんな検査をするの?
MRI・MRA
最も重要な検査です。
- 血管の狭窄
- 閉塞
- 壁内血腫
などを確認します。
CT血管造影(CTA)
救急外来で行われることが多い検査です。
カテーテル検査
診断が難しい場合や血管内治療を検討する場合に行います。
治療
多くの場合、
- 抗血小板薬
- 抗凝固薬
などで治療を行います。
脳梗塞を発症している場合は、その治療も同時に行います。
まれに血管内治療(ステント治療)が必要になることもあります。
動脈瘤がないか確認することも
頸動脈解離を起こした方では、他の血管にも異常がないか確認することがあります。
必要に応じて追加の画像検査を行い、脳動脈瘤などがないか評価します。
こんな時は早めに受診を
- 片側だけの首の痛みが急に出た
- 片方のまぶたが下がってきた
- ろれつが回らない
- 手足がしびれる
- 手足に力が入らない
このような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
