頚椎症性頭痛(首からくる頭痛)|神経内科専門医が解説
首や肩こりと一緒に頭痛が起こると、
「首が悪いから頭痛がするのかな?」
と心配になる方も多いのではないでしょうか。
実際に、首の骨や筋肉、関節などが原因となって起こる頭痛があり、「頚原性頭痛(けいげんせいずつう)」と呼ばれています。
一般には「頚椎症性頭痛」と呼ばれることもあります。
今回は首からくる頭痛の特徴や治療法、注意が必要な症状について解説します。
頚椎症性頭痛とは?
首の骨(頚椎)、関節、筋肉、靱帯などからの痛みが頭に広がって感じられる頭痛です。
特に以下のような状態が関係します。
- 頚椎症
- ストレートネック
- 長時間のデスクワーク
- 猫背
- 首や肩の筋肉の緊張
首の異常が原因となって起こるため、頭そのものに異常がなくても頭痛が出現します。
どんな症状?
後頭部から首筋の痛み
最も典型的な症状です。
- 後頭部が重い
- 首の付け根が痛い
- 首から頭にかけて重だるい
- 首を動かすと悪化する
といった症状がみられます。
片側だけに出ることがある
頭の右側だけ、左側だけなど、片側性に痛みが出ることがあります。
首や肩こりを伴う
- 肩こり
- 首の張り
- 首の動かしにくさ
を伴うことが多く、長時間のパソコン作業やスマートフォン使用後に悪化しやすいのが特徴です。
首から頭頂部へビリッと痛みが走る
首の付け根付近に圧迫感や痛みがあり、そこから後頭部を通って頭頂部までビリッと痛みが走ることがあります。
患者さんからは、
「電気が走る感じ」
「神経を触られたような感じ」
と表現されることがあります。
片頭痛との違い
| 頚椎症性頭痛 | 片頭痛 |
|---|---|
| 首の痛みや肩こりが目立つ | 頭痛が主体 |
| 首を動かすと悪化しやすい | 日常動作で悪化 |
| 後頭部中心 | こめかみ周囲が多い |
| 重だるい痛み | ズキズキする拍動性の痛み |
| 吐き気は少ない | 吐き気を伴うことが多い |
| 光や音の影響は少ない | 光や音がつらいことが多い |
ただし両者が同時に存在することも珍しくありません。
後頭神経痛との違い
首から頭にかけて痛みが出るため、頚椎症性頭痛と後頭神経痛は混同されることがあります。
後頭神経痛とは?
後頭部を走る神経(大後頭神経、小後頭神経)が刺激されて起こる神経障害性疼痛です。
頚椎症性頭痛の特徴
- 首や肩のこりを伴う
- 重だるい痛み
- 首を動かすと悪化する
- 後頭部全体が重い
- 長時間のデスクワークで悪化する
後頭神経痛の特徴
- 電気が走るような痛み
- ピリッ、ビリッとした鋭い痛み
- 数秒から数分の痛みを繰り返す
- 髪をとかすだけで痛いことがある
- 後頭部から頭頂部へ走るような痛み
両方を合併することもある
実際には、
- 頚椎症
- ストレートネック
- 首の筋肉の緊張
などによって後頭神経が刺激され、頚椎症性頭痛と後頭神経痛が同時に起こっていることも少なくありません。
どんな検査をする?
頚椎レントゲン
- 頚椎症
- ストレートネック
などを確認します。
頚椎MRI
- 神経の圧迫
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄
などを評価します。
頭部MRI
頭痛の原因として、
- 脳腫瘍
- 脳梗塞
- 慢性硬膜下血腫
などが疑われる場合に行います。
治療
姿勢の改善
最も重要な治療です。
- 長時間のスマホを避ける
- モニターの高さを調整する
- 猫背を改善する
などが有効です。
リハビリテーション
- 首周囲のストレッチ
- 肩甲帯トレーニング
- 姿勢指導
などが症状改善につながります。
鎮痛薬
- アセトアミノフェン
- NSAIDs
などが使用されます。
ただし、骨や筋肉の痛みに有効な薬でも十分な効果が得られないことがあります。
神経障害性疼痛の薬
首から頭頂部へビリッと走るような痛みや、後頭神経痛を伴う場合には、
- プレガバリン
- ミロガバリン
などの神経障害性疼痛治療薬が有効なことがあります。
こんな症状は早めに受診
以下のような症状がある場合は、首の病気だけではなく脳や血管の病気が隠れている可能性があります。
- 突然発症した激しい頭痛
- 今まで経験したことのない頭痛
- 手足のしびれや麻痺
- ろれつが回らない
- 歩きにくい
- 強いめまいを伴う
- 発熱を伴う
特に初めての強い後頭部痛では、脳や血管の病気を除外することが重要です。
まとめ
- 頚椎症性頭痛は首の異常が関係する頭痛
- 後頭部から首にかけての痛みが特徴
- 首を動かすと悪化しやすい
- 肩こりを伴うことが多い
- 後頭神経痛を合併することもある
- 姿勢改善やリハビリが重要
- 神経障害性疼痛の薬が有効な場合もある
