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頸椎症とは?手のしびれや歩きにくさの原因になる首の病気

脳と神経の相談室

はじめに

「最近手がしびれる」

「ボタンがかけにくくなった」

「歩くと足がもつれる」

このような症状で脳神経内科を受診される方は少なくありません。

頸椎症は主に整形外科で診療される病気ですが、

  • 手のしびれ
  • 手足の動かしにくさ
  • 歩行障害

などの症状から、脳神経内科へ相談されることも非常に多い病気です。

患者さんの中には、

「脳梗塞ではないか」

「パーキンソン病ではないか」

と心配して受診される方もいます。

今回は神経内科専門医の立場から頸椎症について解説します。


頸椎症とは?

首の骨(頸椎)は加齢とともに少しずつ変形していきます。

すると、

  • 椎間板の突出
  • 骨のとげ(骨棘)
  • 靭帯の肥厚

などによって神経や脊髄が圧迫されることがあります。

これを頸椎症と呼びます。

50歳以降では珍しい病気ではありません。


頸椎症には2つのタイプがあります

神経根症

首から腕へ向かう神経が圧迫されるタイプです。

主な症状は、

  • 首の痛み
  • 肩の痛み
  • 腕の痛み
  • 手のしびれ

などです。

片側に症状が出ることが多く、首を後ろへ反らした時に症状が強くなることがあります。


脊髄症

脊髄そのものが圧迫されるタイプです。

こちらの方が注意が必要です。

脊髄が圧迫されると、

  • 両手のしびれ
  • 手の不器用さ
  • 歩きにくさ
  • 排尿障害

などが現れることがあります。


手のしびれが両手でも首が原因のことがあります

手のしびれが両手にあると、

「脳の病気ではないか」

と心配される方もいます。

しかし頸椎症によって脊髄が圧迫されると、

  • 両手のしびれ
  • 両足のしびれ
  • 手足の動かしにくさ

が現れることがあります。

両手だから首ではない、というわけではありません。


手が不器用になる

頸椎症では、

  • ボタンがかけにくい
  • 箸が使いにくい
  • 字が書きにくい
  • 小銭を拾いにくい

といった症状がみられることがあります。

患者さん自身は

「年齢のせいかな」

と思っていることもありますが、頸椎症が原因になっている場合があります。


歩きにくさだけで見つかることもあります

頸椎症では、しびれより先に歩行障害が現れることがあります。

例えば、

  • 足が突っ張る感じがする
  • 小走りができない
  • 転びやすくなった
  • 階段を下りるのが怖い

といった症状です。

パーキンソン病を心配して受診された方が、実際には頸椎症だったということもあります。


尿のトラブルがヒントになることも

脊髄が圧迫されると、

  • 頻尿
  • 尿が我慢しにくい
  • 尿が出にくい

などの症状が現れることがあります。

手のしびれや歩きにくさと一緒にみられる場合には、頸椎症が隠れていることがあります。


パーキンソン病や脳梗塞と間違われることも

頸椎症では、

  • 手足のしびれ
  • 歩きにくさ
  • 手の不器用さ

などがみられます。

そのため、

  • パーキンソン病
  • 脳梗塞
  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)

などとの区別が必要になることがあります。

神経内科では診察やMRI検査を行い、原因を見極めていきます。


検査

レントゲン

首の骨の変形や並びを確認します。


CT検査

骨の状態を詳しく調べる検査です。

骨棘(骨のとげ)や後縦靱帯骨化症(OPLL)などは評価しやすい一方で、脊髄そのものの状態はわかりにくいことがあります。


MRI検査

頸椎症の診断で最も重要な検査です。

MRIでは、

  • 神経の圧迫
  • 脊髄の圧迫
  • 椎間板ヘルニア
  • 脊髄の変化

などを確認できます。

「CTでは異常がないと言われたけれど症状が続く」

という場合でも、MRIで異常が見つかることがあります。


治療

軽症の場合

  • 痛み止め
  • リハビリ
  • 姿勢の改善

などを行いながら経過をみます。


手術が必要になることもあります

  • 手が不器用になってきた
  • 歩きにくくなってきた
  • 転びやすくなった
  • 排尿のトラブルが出てきた

といった場合は、脊髄が強く圧迫されている可能性があります。

その場合は整形外科で手術が検討されることがあります。

脊髄は一度障害されると完全には元に戻らないこともあるため、進行する場合は早めの対応が大切です。


こんな症状があれば受診を

  • 手のしびれが続く
  • ボタンがかけにくい
  • 箸が使いにくい
  • 歩きにくい
  • 転びやすい
  • 頻尿や尿が出にくい
  • 首を反らすと腕にしびれが走る

このような症状がある場合は、脳神経内科や整形外科へ相談しましょう。


まとめ

  • 頸椎症は首の加齢変化によって起こる病気
  • 手のしびれだけでなく歩行障害や排尿障害の原因にもなる
  • パーキンソン病や脳梗塞と間違われることがある
  • MRIが診断に重要
  • 進行すると手術が必要になることもある

気になる症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

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神経内科専門医・総合内科専門医
はじめまして。「脳と神経の相談室」を運営している女医です。 神経内科専門医・総合内科専門医として15年以上診療に携わっています。 外来でよくいただく質問を中心に、しびれ、頭痛、めまい、認知症などについて、専門的な内容をできるだけわかりやすく解説します。 不安を少しでも減らし、受診のきっかけになるような情報発信を心がけています。
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