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ものが二重に見える原因は?脳梗塞のサインかもしれません【神経内科専門医が解説】

脳と神経の相談室

はじめに

  • 急にものが二重に見える
  • 片目を隠すと改善する
  • 疲れると二重に見えやすい
  • ふらつきを伴う
  • 家族から「目の位置がおかしい」と言われた
  • 家族から「まぶたが下がっている」と言われた

このような症状はありませんか?

ものが二重に見える症状は「複視(ふくし)」と呼ばれます。

単なる疲れ目と思っていても、脳梗塞や脳動脈瘤、神経の病気が隠れていることがあります。

この記事では、ものが二重に見える原因と受診の目安について、神経内科専門医がわかりやすく解説します。


まず確認してほしいこと

「二重に見える」のか、「見えにくい」のかは重要な違いです。

この記事では、同じものが2つに見える「複視」について解説します。

さらに、複視では次の確認がとても重要です。

片目でも二重に見える

片目を隠しても二重に見える場合は「単眼複視」と呼ばれます。

原因としては、

  • 白内障
  • 乱視
  • ドライアイ
  • 角膜の病気

などがあり、眼科の病気が原因であることが多いです。

両目を開いた時だけ二重に見える

片目を隠すと改善し、両目を開いた時だけ二重に見える場合は「両眼複視」と呼ばれます。

目を動かす神経や筋肉の病気が原因となるため、脳神経内科や脳神経外科での診察が必要になることがあります。


脳神経麻痺

目を動かす神経には、

  • 動眼神経
  • 滑車神経
  • 外転神経

があります。

これらの神経が障害されると、左右の目の向きがずれて複視が起こります。

周囲の人から、

  • 「黒目の位置がおかしい」
  • 「目の向きがずれている」

と指摘されて受診されることもあります。


脳幹梗塞

目を動かす神経は脳幹という場所にあります。

そのため脳幹梗塞では複視が起こることがあります。

特に、

  • めまい
  • ふらつき
  • ろれつが回らない
  • 手足のしびれ
  • 手足の麻痺

などを伴う場合は注意が必要です。

突然始まった複視は脳梗塞の可能性があるため、早めの受診をおすすめします。


脳動脈瘤

特に後交通動脈瘤では動眼神経麻痺を起こすことがあります。

症状として、

  • ものが二重に見える
  • まぶたが下がる
  • 瞳孔が大きくなる

などがみられます。

脳動脈瘤の破裂前のサインであることもあり、緊急性の高い病気です。

▶︎ まぶたが下がる原因について詳しくはこちら

https://braincare-note.com/ptosis/


糖尿病や高血圧による神経麻痺

糖尿病や高血圧では、神経を栄養する細い血管が障害されることがあります。

その結果、

  • 動眼神経麻痺
  • 滑車神経麻痺
  • 外転神経麻痺

が起こり、複視の原因になります。

特に外転神経麻痺は比較的よくみられます。

ただし、脳梗塞や脳動脈瘤との区別が必要なため、自己判断は禁物です。


重症筋無力症

神経内科で見逃したくない病気のひとつです。

特徴は、

  • 疲れると悪化する
  • 夕方になると症状が強くなる
  • 休むと改善する
  • まぶたが下がる

などです。

日によって症状が変化することもあります。

▶︎ まぶたが下がる原因について詳しくはこちら


フィッシャー症候群

フィッシャー症候群はギラン・バレー症候群の関連疾患です。

風邪や下痢の1〜2週間後に発症することが多く、

  • ものが二重に見える
  • ふらつく
  • まっすぐ歩きにくい

などの症状が現れます。

比較的まれな病気ですが、急な複視の原因になります。


甲状腺眼症

甲状腺の病気に伴い、目を動かす筋肉が腫れることで複視が起こることがあります。

症状として、

  • ものが二重に見える
  • 目が出てくる
  • まぶたの腫れ

などがあります。


脳腫瘍

脳腫瘍や転移性脳腫瘍によって、目を動かす神経が圧迫されると複視が起こることがあります。

症状は徐々に進行することが多く、

  • 頭痛
  • ふらつき
  • 手足の麻痺

などを伴うことがあります。


こんな時はすぐ受診

  • 急に二重に見える
  • 激しい頭痛を伴う
  • ろれつが回らない
  • 手足に力が入らない
  • 手足がしびれる
  • 強いめまいを伴う
  • まぶたが急に下がった

このような場合は、脳梗塞や脳動脈瘤などの可能性があります。

救急受診を検討してください。


何科を受診すればよい?

まずは眼科でも問題ありません

複視の原因には、

  • 白内障
  • ドライアイ
  • 神経の病気
  • 脳の病気

など様々なものがあります。

眼科の病気でなかった場合も、必要に応じて脳神経内科や脳神経外科へ紹介してもらえます。

受診先に迷う場合は、まず眼科を受診してもよいでしょう。

脳神経内科を早めに受診した方がよい症状

  • 疲れると悪化する
  • まぶたが下がる
  • ふらつく
  • 手足のしびれや麻痺を伴う
  • 両目を開いた時だけ二重に見える

救急受診が必要な症状

  • 突然発症した
  • 激しい頭痛を伴う
  • ろれつが回らない
  • 手足に力が入らない

まとめ

ものが二重に見える原因には、

  • 白内障やドライアイ
  • 脳幹梗塞
  • 脳動脈瘤
  • 糖尿病や高血圧による神経麻痺
  • 重症筋無力症
  • フィッシャー症候群
  • 甲状腺眼症
  • 脳腫瘍

などがあります。

特に急に始まった複視や、めまい・ろれつ障害・手足の麻痺を伴う場合は早めの受診が大切です。

また、片目でも二重に見えるのか、両目を開いた時だけ二重に見えるのかは重要な手がかりになります。

気になる症状がある場合は、眼科や脳神経内科へ相談しましょう。


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複視(物が二重に見える)は、脳卒中や脳神経の病気が原因で起こることがあります。気になる症状がある方は、あわせてご覧ください。

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神経内科専門医・総合内科専門医
はじめまして。「脳と神経の相談室」を運営している女医です。 神経内科専門医・総合内科専門医として15年以上診療に携わっています。 外来でよくいただく質問を中心に、しびれ、頭痛、めまい、認知症などについて、専門的な内容をできるだけわかりやすく解説します。 不安を少しでも減らし、受診のきっかけになるような情報発信を心がけています。
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