【手が震えるのはなぜ?】脳神経内科専門医が原因と受診の目安をわかりやすく解説
はじめに
「字を書くと手が震える」
「コップを持つと手が震える」
「何もしていないのに手が震える」
「家族や友人から『手が震えているよ』と指摘された」
このような症状で不安になったことはありませんか?
手の震えには、加齢や緊張によるものから、脳や神経の病気によるものまでさまざまな原因があります。
また、一般的な「ふるえ(振戦)」と、てんかんによる「けいれん」は別の症状です。
今回は手の震えの主な原因と受診の目安について解説します。
手の震えにはいくつかの種類があります
本態性振戦(ほんたいせいしんせん)
手の震えで最も多い病気です。
特徴
- 物を持つと震える
- 字を書くと震える
- コップを持つと震える
- 手を前に伸ばすと震える
- 緊張すると悪化する
- 家族にも震えがあることが多い
- 若い頃から続いていることがある
- 顔や首、声が震えることもある
安静にしている時には目立たず、動作時や姿勢を保った時に震えるのが特徴です。
また、アルコールを飲むと一時的に震えが軽くなることがあります。
年齢を問わずみられます。
パーキンソン病
高齢者の震えで重要な病気です。
特徴
- 安静時に震える
- 片側から始まることが多い
- 動くと震えが目立たなくなる
- 動作がゆっくりになる
- 歩幅が小さくなる
- 表情が乏しくなる
- 字が小さくなる
- ボタンがかけにくくなる
震えの速さは1秒間に4〜6回程度で、本態性振戦や甲状腺疾患の震えよりゆっくりです。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
若い女性に多い病気です。
特徴
- 細かい手の震え
- 動悸
- 発汗
- 下痢
- 体重減少
- 疲れやすい
震えは1秒間に8〜12回程度と細かく速いのが特徴です。
血液検査で診断できます。
薬剤による震え
薬の副作用で震えが出ることがあります。
代表的な薬
- ステロイド
- 気管支拡張薬
- 一部の抗うつ薬
- 気分安定薬
- 甲状腺ホルモン薬
新しい薬を飲み始めてから震えが出た場合は主治医に相談しましょう。
アルコール離脱による震え
長期間飲酒していた方が急に飲酒をやめたり減らしたりすると、手の震えが出ることがあります。
特徴
- 両手に出ることが多い
- 飲酒中断後数時間〜数日で出現する
- 発汗
- 動悸
- 不安感
- 不眠
を伴うことがあります。
頚椎症・頚髄症
首の神経や脊髄が圧迫される病気です。
特徴
- 手のしびれ
- ボタンがかけにくい
- 箸が使いにくい
- 字が書きにくい
- 細かい作業がしづらい
これらを「手が震える」と表現する方もいますが、実際には震えではなく手先の不器用さ(巧緻運動障害)が原因のことがあります。
なお、パーキンソン病でも字が書きにくい、ボタンがかけにくいなどの症状がみられますが、その場合は震えや動作の遅さを伴うことが特徴です。
てんかんによるけいれん
「手が震えている」と思われる症状の中には、てんかん発作によるけいれんが含まれることがあります。
ただし、一般的な手の震え(振戦)とは別の症状です。
特徴
- 意識がなくなることがある
- 手足が突っ張る
- 発作後にぼんやりする
- けいれんが腕や顔、全身へ広がることがある
このような症状がある場合は早めの受診をおすすめします。
こんな時は受診をおすすめします
□ 震えが徐々に強くなっている
□ 日常生活に支障がある
□ 片側だけ震える
□ 動作が遅くなった
□ 歩き方がおかしい
□ 字が書きにくくなった
□ ボタンがかけにくくなった
□ 新しい薬を始めてから震える
□ 動悸や体重減少を伴う
□ 意識を失う発作がある
何科を受診すればいい?
手の震えは脳神経内科が専門です。
特に
- 本態性振戦
- パーキンソン病
- てんかん
- その他の神経疾患
が疑われる場合は脳神経内科を受診しましょう。
一方、
- 動悸
- 発汗
- 下痢
- 体重減少
を伴う場合は甲状腺疾患の可能性もあり、内科での相談も有効です。
まとめ
手の震えの原因はさまざまです。
最も多いのは本態性振戦ですが、パーキンソン病や甲状腺疾患、薬の副作用などが隠れていることもあります。
また、「震え」と「けいれん」は異なる症状であり、原因も治療法も異なります。
手の震えが続く場合や日常生活に支障がある場合は、一度脳神経内科に相談してみましょう。
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手の震えの原因はさまざまで、本態性振戦やパーキンソン病などが代表的です。
症状が徐々に進行する場合は、脳神経内科への相談をおすすめします。
