頭痛の種類

片頭痛とは?原因・症状・治療法を神経内科専門医が解説

脳と神経の相談室

「頭がズキズキして仕事にならない」 「吐き気がして動けない」 「休日になると頭痛が起きる」

そんな症状で悩んでいませんか?

片頭痛は単なる頭痛ではなく、日常生活に大きな影響を与える病気です。日本では約10人に1人が片頭痛を持っているといわれています。

最近では治療法も大きく進歩しており、我慢する必要のない病気になりつつあります。

この記事では、片頭痛の特徴や原因、治療法について神経内科専門医がわかりやすく解説します。


片頭痛とは

片頭痛は、発作的に繰り返す頭痛が特徴の病気です。

片頭痛の特徴

  • ズキンズキンと脈打つような痛み
  • 頭の片側に多いが両側のこともある
  • 体を動かすと悪化する
  • 光や音がつらくなる
  • 吐き気を伴うことが多い
  • 実際に嘔吐してしまう人も少なくない

片頭痛と肩こり頭痛の違い

片頭痛は、肩こりからくる緊張型頭痛とは少し違います。

緊張型頭痛では、

  • 頭の後ろが重い
  • 締め付けられる感じ
  • 慢性的に続く

ことが多い一方で、

片頭痛では

  • 発作的に起こる
  • 数時間〜3日程度続く
  • 発作が終わると比較的元気になる

という特徴があります。


片頭痛の典型例

30代女性。

休日の朝になると頭がズキズキ痛くなります。

起きた時は軽い違和感ですが、

  • 家事をすると悪化する
  • シャワーや入浴後にさらに悪化する
  • 吐き気が出てくる
  • ひどい時は吐いてしまう

ため、暗い静かな部屋で横になります。

1〜2時間ほど眠ると少し楽になり、その後は普段通り過ごせることが多いです。


片頭痛の前兆とは

片頭痛の一部では頭痛の前に前兆が現れます。

閃輝暗点(せんきあんてん)

最も有名な前兆です。

  • ギザギザした光が見える
  • 視界の一部が見えなくなる
  • キラキラした模様が広がる

といった症状が20〜30分ほど続き、その後に頭痛が始まります。

その他の前兆

  • 手足のしびれ
  • 言葉が出にくい
  • めまい

などが起こることもあります。

脳梗塞との区別が必要になる場合もあります。


片頭痛の誘因

ストレスだけではなく「解放された時」にも起こる

患者さんからよく聞くのが、

「仕事の日は平気なのに休日になると頭痛がする」

という話です。

片頭痛はストレスそのものだけでなく、ストレスから解放された時にも起こりやすいことが知られています。


よくある誘因

  • 睡眠不足
  • 寝過ぎ
  • 月経
  • 天候の変化
  • 飲酒
  • 強い光
  • ストレス
  • ストレスから解放された時

食べ物が関係することも

片頭痛の誘因として知られているものに、

  • 赤ワイン
  • チョコレート
  • チーズ

があります。

すべての人に当てはまるわけではありませんが、自分の誘因を知ることは予防につながります。


温めると悪化することがある

片頭痛では、

  • 入浴後
  • シャワー後
  • サウナ

などで悪化することがあります。

一方で、肩こりからくる緊張型頭痛は温めると楽になることが多く、両者を見分けるヒントになります。


片頭痛と月経の関係

片頭痛は女性に多い病気です。

女性ホルモンの変動が関係しているため、月経前後に頭痛が起こりやすくなります。

月経関連片頭痛の特徴

  • 普段より強い
  • 長引きやすい
  • 吐き気が強い

という特徴があります。


片頭痛になりやすい人

家族歴は重要

片頭痛の患者さんでは、

  • 母親も片頭痛
  • 父親も片頭痛
  • 姉妹も片頭痛

ということが少なくありません。

遺伝的な体質が関係していると考えられています。


脳腫瘍との違い

頭痛が続くと、

「脳腫瘍ではないか」

と心配になる方も多いでしょう。

脳腫瘍を疑う症状

  • 朝起きた時に強い頭痛
  • 理由のない嘔吐
  • 徐々に悪化する頭痛
  • 手足の麻痺
  • けいれん
  • 性格変化

などです。

片頭痛は発作が終わると比較的元気になることが多い一方で、脳腫瘍は徐々に症状が進行する傾向があります。


片頭痛の治療

発作時の治療

  • アセトアミノフェン
  • ロキソニンなどのNSAIDs
  • トリプタン製剤

などが使用されます。

予防治療

  • ロメリジン
  • バルプロ酸
  • 漢方薬

などが使われます。


最近の治療

近年はCGRP関連薬という新しい治療薬が登場しました。

  • 月1回の注射
  • 病院で投与するタイプ
  • 自宅で自己注射できるタイプ

があり、これまで治療に苦労していた患者さんでも大きく改善することがあります。


薬物乱用頭痛とは

頭が痛いので頭痛薬を飲む。

すると一時的には楽になります。

しかし、頭痛薬を頻繁に飲み続けることで、逆に頭痛が増えてしまうことがあります。

これを薬物乱用頭痛と呼びます。

特に多いのが、

  • ロキソニン
  • 市販の頭痛薬

です。

受診を考えたい目安

  • 頭痛が週2回以上ある
  • 頭痛薬を頻繁に飲む
  • 薬が効きにくくなってきた

場合は脳神経内科への相談をおすすめします。


こんな時は脳神経内科へ

  • 初めて経験する強い頭痛
  • 今までと違う頭痛
  • 手足の麻痺を伴う
  • ろれつが回らない
  • 物が二重に見える
  • 頭痛で仕事や家事ができない
  • 市販薬が効かない

場合は受診をおすすめします。


まとめ

  • 片頭痛は発作的に繰り返す頭痛
  • 吐き気や嘔吐を伴うことが多い
  • 休日や月経時に起こりやすい
  • ワインやチョコレートが誘因になることがある
  • 最近は予防注射など治療法が大きく進歩している
  • 頭痛薬の使い過ぎは薬物乱用頭痛につながる

我慢せず、脳神経内科へ相談しましょう。


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神経内科専門医・総合内科専門医
はじめまして。「脳と神経の相談室」を運営している女医です。 神経内科専門医・総合内科専門医として15年以上診療に携わっています。 外来でよくいただく質問を中心に、しびれ、頭痛、めまい、認知症などについて、専門的な内容をできるだけわかりやすく解説します。 不安を少しでも減らし、受診のきっかけになるような情報発信を心がけています。
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