頭痛は何科?危険な頭痛の見分け方と受診の目安【神経内科専門医が解説】
頭痛は、誰にでも起こる身近な症状です。
寝不足や疲れ、肩こり、ストレスなどで頭が痛くなることもあり、頭痛の多くは命に関わるものではありません。
一方で、突然起こる激しい頭痛など、一部にはくも膜下出血や脳卒中など緊急性の高い病気が隠れていることがあります。
「この頭痛は大丈夫?」
「頭痛は何科を受診すればいい?」
「MRIを撮った方がいい?」
このような疑問を持つ方も多いと思います。
この記事では、危険な頭痛の見分け方や、頭痛があるときの受診先について、神経内科専門医がわかりやすく解説します。
まず確認したい「危険な頭痛」のサイン
頭痛があるときに最も大切なのは、痛みの強さだけではなく、いつ、どのように始まったかです。
特に次のような場合は注意してください。
突然、激しい頭痛が起こった
「今まで経験したことがないような頭痛」
「突然、頭を殴られたように痛くなった」
このような頭痛では、くも膜下出血などの脳血管障害を考える必要があります。
特に、数秒から数分ほどで急激に強くなる頭痛は、我慢して様子をみずに救急受診してください。
頭痛と一緒に手足の麻痺やろれつ障害がある
頭痛と同時に、
- 片側の手足に力が入らない
- 手足がしびれる
- ろれつが回らない
- 顔がゆがむ
- まっすぐ歩けない
- 意識がもうろうとする
といった症状がある場合は、脳卒中などの可能性があります。
このような場合も、早急な受診が必要です。
発熱や首の硬さを伴う
強い頭痛とともに、
- 高熱がある
- 首が痛くて動かしにくい
- 意識がぼんやりする
- けいれんする
などの症状がある場合は、髄膜炎などの感染症が隠れていることがあります。
▶︎ 発熱や強い頭痛、首の痛みを伴う髄膜炎について詳しくはこちら
今までなかった頭痛が続く・徐々に悪化する
突然ではなくても、
- 最近になって頭痛が始まった
- 今までの頭痛と感じが違う
- 日ごとに痛みが強くなっている
- 頭痛の回数が増えている
- 頭痛とともに麻痺やけいれんなどが出てきた
といった場合には、一度医療機関で相談することをおすすめします。
脳腫瘍などでも頭痛が起こることがありますが、頭痛だけで脳腫瘍というケースは多くありません。
必要以上に心配するのではなく、「いつもと違う頭痛かどうか」を一つの目安にしてください。
頭をぶつけた後から頭痛が悪化している
転倒や事故などで頭をぶつけた後、
- 頭痛がだんだん強くなる
- 吐き気や嘔吐がある
- ぼーっとする
- 手足が動かしにくい
などの症状が出てきた場合も受診が必要です。
特に高齢の方では、頭をぶつけてしばらくしてから症状が出ることもあります。
よくある頭痛はどんなもの?
危険な病気ではない頭痛として代表的なのが、
- 片頭痛
- 緊張型頭痛
- 群発頭痛
などです。
こうした、ほかの病気が原因ではなく頭痛そのものを繰り返すタイプを一次性頭痛と呼びます。
片頭痛
ズキズキと脈打つような痛みが特徴です。
- 吐き気がある
- 光や音がつらい
- 動くと悪化する
- 数時間から数日続く
といった症状がみられます。
「片頭痛」という名前ですが、必ずしも頭の片側だけが痛むわけではありません。
緊張型頭痛
頭全体や後頭部が締め付けられるように痛む頭痛です。
- 肩こり
- 首こり
- 疲労
- 長時間のデスクワーク
- ストレス
などと一緒に起こることがよくあります。
群発頭痛
片側の目の奥をえぐられるような、非常に強い痛みが特徴です。
頭痛と同じ側に、
- 涙が出る
- 目が充血する
- 鼻水や鼻づまりが出る
などの症状を伴うことがあります。
毎日ほぼ同じ時間帯に発作を繰り返すことがあるのも特徴です。
首や肩こりから頭痛が起こることもある
後頭部や首の付け根が痛む場合には、首の筋肉や関節などが関係する**頚原性頭痛(首からくる頭痛)**のこともあります。
また、
「後頭部にビリッと電気が走る」
「後頭部から頭頂部まで一瞬鋭く痛む」
という場合には、後頭神経痛の可能性もあります。
自分の頭痛がどのタイプかわからない場合は?
頭痛には、ほかにもさまざまな原因があります。
「自分の頭痛はどれに近いのだろう?」
と思った方は、代表的な頭痛をまとめたこちらの記事も参考にしてください。
頭痛は何科を受診すればいい?
頭痛の症状によって受診先は変わります。
頭痛を繰り返している場合
片頭痛や緊張型頭痛などが疑われる場合は、
- 脳神経内科
- 頭痛外来
- 脳神経外科
などで相談できます。
特に頭痛を繰り返している場合には、頭痛の種類を診断して、症状に合った治療を行うことが大切です。
突然の激しい頭痛の場合
突然発症した強い頭痛では、診療科を探して予約するよりも、救急外来を受診することが優先です。
必要に応じて頭部CTなどの検査が行われます。
鼻づまりや黄色い鼻水がある場合
副鼻腔炎などが疑われる場合には、耳鼻咽喉科が適しています。
額や頬の痛み、鼻づまり、膿のような鼻水などを伴う場合には相談してみましょう。
朝の頭痛と強いいびきがある場合
朝起きたときの頭痛に加えて、
- 大きないびき
- 睡眠中に呼吸が止まると言われる
- 日中の強い眠気
などがある場合には、睡眠時無呼吸症候群が関係していることもあります。
内科や睡眠外来などで相談できます。
頭痛があるとMRIやCTは必要?
頭痛があるからといって、すべての人にMRIやCTが必要なわけではありません。
まず、
- いつから痛いのか
- 突然始まったのか、徐々に始まったのか
- 今までにも同じ頭痛があったのか
- 麻痺やしびれなどを伴っていないか
- 頭痛の性質が以前と変わっていないか
などを確認します。
診察の結果、脳や血管の病気が疑われる場合には、MRIやCTなどの画像検査を行います。
特に突然発症した激しい頭痛では、「MRIを撮った方がいいのかな」と自分で判断するより、まず救急受診することが大切です。
頭痛薬の飲みすぎにも注意
頭痛を繰り返していると、市販の鎮痛薬を頻繁に飲むようになることがあります。
しかし、頭痛薬を使いすぎることで、かえって頭痛が頻繁になる**薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)**が起こることがあります。
「最近、頭痛薬を飲む日が増えてきた」
「薬を飲んでもすぐまた痛くなる」
という場合には、自己判断で薬を増やし続けず、一度医療機関で相談しましょう。
首の痛みを伴う突然の頭痛にも注意
突然の頭痛に首の痛みを伴う場合には、まれですが頸動脈解離や椎骨動脈解離など、首の血管の病気が原因のことがあります。
特に、
- 今までにない片側の首の痛み
- 強い後頭部痛
- めまいやふらつき
- まぶたが下がる
- ろれつが回らない
- 手足の麻痺
などを伴う場合には早めの受診が必要です。
まとめ
頭痛はとても身近な症状で、多くは片頭痛や緊張型頭痛など、命に関わらない頭痛です。
そのため、頭痛があるたびに脳の病気を心配する必要はありません。
ただし、
- 突然起こった激しい頭痛
- 今まで経験したことのない頭痛
- 手足の麻痺やろれつ障害を伴う頭痛
- 意識障害やけいれんを伴う頭痛
- 発熱や首の硬さを伴う頭痛
- 今までと性質が変わった頭痛
- 徐々に悪化している頭痛
には注意が必要です。
「いつもの頭痛と違う」と感じたときは、我慢しすぎず医療機関に相談してください。
一方、何度も繰り返す頭痛についても、頭痛のタイプに合った治療を行うことで症状を軽くできることがあります。
自分の頭痛がどのタイプかわからない方は、こちらの「頭痛の種類一覧」も参考にしてください。
